日本の海草(うみくさ)類 (Seagrasses of Japan

 生物の起源が水中で,進化の過程で陸上に進出してきたことは皆さん周知のことと思われます。この事実は動物だけではなく,植物においても当てはまると考えられています。一方,動物のクジラなどのように,いったん陸上で繁栄したグループが再び水中へ活動圏を戻していったグループがあるのも,また事実です。植物でもこのようなグループが知られており,それが海草(かいそう;うみくさ)です。
 化石の証拠から,海草類の起源は白亜紀であると考えられており,現在,世界中で約60種ほどが知られています。日本からはこれらのうち21種ほどが知られており,河口干潟や浅海,岩礁で生育しています。こうした場所には海藻類も多く見られますが,海草類は
  @根・茎・葉の分化がはっきりしていること
  A生殖器官として花を形成すること
ではっきりと海藻類とは区別できます。わかりやすくいえば,海中に生える水草,でしょうか。「かいそう」という読みでは海藻類と紛らわしいので,本稿では海草類を「うみくさ」と読むことにします。海藻類と同様,沿岸における主要な生産者の役割を担っており,さらに幼魚などのすみかとして,また南西諸島ではジュゴンやウミガメ類の餌にもなっています。
 日本産に限りませんが,海草はいずれも単子葉植物オモダカ目(Alismatales)に属し,進化的にはかなり程度の高いグループとされています。しかし,形態的な特徴の差異に乏しく,意外に研究が遅れていたのが現状です。近年になって日本産の海草類が詳細に調査され,少しずつですが,全容が明らかになってきました。本稿では最新の知見に基づいて,日本産の海草を紹介していきます。
 ※本稿で使用している写真は管理人が所有するさく葉標本をスキャンしたものであり,一部は撮影した生態写真を付しています。
・アマモ ・オオアマモ ・スガモ ・タチアマモ
・エビアマモ ・コアマモ(狭義) ・スゲアマモ ・ナンカイコアマモ
アマモ科 (Zosteraceae)

※コアマモ,ウミジグサ,ウミヒルモは研究が進み,従来の見解とはだいぶ異なっています。
詳細は各項をご覧下さい。

トチカガミ科 (Hydrocharitaceae)
ベニアマモ(またはシオニラ)科 (Cymodoceaceae)
・ウミヒルモ ・トゲウミヒルモ ・ホソウミヒルモ
・ウミショウブ ・ノトウミヒルモ ・ヤマトウミヒルモ
・オオウミヒルモ ・ヒメウミヒルモ ・リュウキュウスガモ
・シオニラ(ボウバアマモ) ・ベニアマモ ・マツバウミジグサ
・ニラウミジグサ
(ウミジグサ)
・ホソバウミジグサ
(ウミジグサ)
・リュウキュウアマモ

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